2009年7月15日水曜日

調理師と栄養士のせめぎあいを思う

 集団給食の調理現場にも会社やお客から美味しいもの、見栄えの良いものが要求される。料理の美しさ・美味しさと衛生とは相反することも多い。

 和食では煮物に味をしみさせるため、煮汁につけたまま冷ます。この行為がウエルシュ菌食中毒の原因となるおそれがあるので、加熱後の急冷を指導しているが、和食の調理師さんにはなかなか徹底できない。

 食中毒事例のなかに、下ごしらえし、冷蔵していた野菜を煮立った煮汁にブドウ球菌に汚染された素手で入れ、素材の色を残すため、充分加熱しないで火を止めて保管したためブドウ球菌を増殖させたと推測されるケースもあった。

 また、再加熱を必要とされる場合も煮くずれを気にして充分な加熱がなされているか疑問だ。このあたりの衛生管理は管理栄養士さんの任務の一つかとも思うが、職場内の力関係では、とても口出しできる状況でないところもあると思う。

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