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2011年10月3日月曜日

生食用食肉(牛肉)の規格基準が設定追加されました


食品、添加物等の規格基準の一部が改正され、新たに生食用食肉の規格基準が設定されました。
関係の通知文は次のとおりです。(別途、表示に関する通知が出ています)


食品、添加物等の規格基準の一部を改正する件について(食安発0912第7号平成23年9月12日)
http://www.mhlw.go.jp/stf/kinkyu/2r9852000001bbdz-att/2r9852000001q4z1.pdf


【内容】 食品、添加物等の規格基準(昭和 34 年厚生省告示第 370 号。以下「告示」という。)の一部が改正されましたが、改正の概要等についての通知です。

 対象となる食品:生食用食肉とは、生食用食肉として販売される牛の食肉(内臓を除く。)と定義したので、いわゆるユッケ、タルタルステーキ、牛刺し、牛タタキが含まれること。

以下改正の内容
1 成分規格について
(1)本規格基準における管理の対象として、腸管出血性大腸菌及びサルモネラ属菌とすることとし、成分規格の指標として、これらを含む腸内細菌科菌群としたこと。
(2)成分規格に係る検査の記録を1年間保存することとしたこと。
2 加工基準について
(1)生食用食肉の加工は、専用の設備を備えた衛生的な場所で、専用の器具を用いて行わなければならないとしたこと。
(2)生食用食肉の加工は、腸管出血性大腸菌のリスク等について知識を有する者が行わなければならないとしたこと。
(3)加工に使用する肉塊は、枝肉から切り出した後、速やかに加熱殺菌を行うこととしたこと。また、加熱殺菌に係る記録を1年間保存することとしたこと。
3 保存基準について
生食用食肉は冷蔵のものは4℃以下、凍結させたものにあっては、-15℃以下で保存することとしたこと。
4 調理基準について
(1)2(3)の事項を除き、加工基準を準用することとしたこと。
(2)調理を行った生食用食肉は、速やかに提供することとしたこと。


食品、添加物等の規格基準関するQ&Aについて(食安基発0928第1号 平成23年9月28日)
http://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/dl/110928_01.pdf


【内容】 平成23年9月12日付け食安発第0912第7号により通知された施行通知の詳細についてのQ&Aです。


以下、Q&Aの一部
(加工・調理基準)
Q9 加工基準と調理基準は、それぞれどの施設に適用されるのですか。
Q10 加工基準(1)を満たす設備とはどのようなものですか。
Q11 「器具の洗浄及び消毒は83℃以上の温湯」とされていますが、同等以上の効果のある他の方法は認められないのですか。
Q12 生食用食肉(牛肉)の加工及び調理を行うことができる「都道府県知事等が生食用食肉を取り扱う者として適切と認める者」となるためには、どのような知識が必要ですか。講習会を受ける必要はありますか。
Q13 食品衛生管理者や都道府県知事等が適切と認める者の「監督の下」とはどこまでを指すのですか。
Q14 「肉塊の表面の温度が10℃を超えないようにしなければならない」とありますが、温度管理はどのようにしたら良いのですか。
Q15 肉塊の加工において行ってはいけない処理には、どのようなものがあるのですか。
Q16 加工に使用する肉塊は、なぜ凍結させてはいけないのですか。
Q17 本規格基準における枝肉とはどのようなものですか。 


生食用食肉等の安全性確保について (食安発0801第2号 平成23年8月1日)
http://wwwhourei.mhlw.go.jp/hourei/doc/tsuchi/T110803I0010.pdf


【内容の一部】 経過報告と、検討の方向についての通知です。


現在、食品安全委員会において審議が行われているところですが、食中毒・乳肉水産食品合同部会において、衛生基準通知に示されたトリミングだけでは微生物汚染を完全に除去することは困難であるとされ、規格基準案では「肉塊の表面から1cm 以上の深さを 60℃で2分間以上加熱する方法」とされています。
加熱の方法については、使用する肉塊の大きさ、加熱方法等により、加熱温度・時間が異なることが想定されることから、事業者毎に加熱条件の検討を始めるとともに、可能な範囲で新たな規格基準案を実施し、施行目標の 10 月 1 日には遵守できるよう関係営業者の指導方お願いします。

2010年9月24日金曜日

猛暑と食中毒

 記録的な猛暑も雷雨とともに終わりを告げたみたいです。私の経験の範囲では夏が例年に比べ暑かったから食中毒の件数が増えたといったことはなかったように思いますが、今年は別でした。
 肉の生食が関係する事件で最終的に食中毒とはされなかったものの腸管出血性大腸菌感染症が例年になく多発しました。食中毒とはされなかったため、肉の生食の危険性を知らず自分の意志で食べた患者さんは泣き寝入りです。

 大阪府のホームページからもこの夏の腸管出血性大腸菌感染症の多発が確認できます。


腸管出血性大腸菌感染症発生状況


参照元

 大阪府報道発表資料
 http://www.pref.osaka.jp/hodo/index.php?site=fumin&pageId=4910


2009年9月17日木曜日

腸管出血性大腸菌O157等関連情報へのリンク

成型肉での腸管出血性大腸菌O157による食中毒事件を受けて、関連情報を求める方が増えたみたいです。
2001年頃までは、なにかと話題になることも多かったのですが、最近ノロウイルスの陰で世間からは忘れられていたような感がありました。
ということで、温故知新という言葉もありますので、私のアーカイブを紹介します。

腸管出血性大腸菌O157等関連情報へのリンク
http://www.shokuei.sakura.ne.jp/archive/o157_link.html

2009年9月13日日曜日

成型肉 潜むO157 「中までよく焼いて」

タイトルの記事が朝日新聞、9月12日の夕刊(大阪版)に出ました。驚いたことに1面扱いです。


 今回の事件の本質がよくまとめられて、消費者に注意を促している良い記事だと思います。
 見落とされた方は、次の asahi.com に出ています。
 http://www.asahi.com/national/update/0912/TKY200909120113.html





 この記事の続きには、別のステーキの事件もでています。こちらは成型肉ではなくカット肉の「角切りステーキ」です。角切りステーキは食べやすいし、値段もリーゾナブルなのですが、食監的には小さいサイコロ状の6面の全てを焼き中心部まで火を通すというのは、根気がいって難しいですね。蓋でもして蒸し焼きにするとよく火が通りますが、私の経験によると安物の成型肉は味も抜けてしまって、ただのミンチ肉になってしまいました。

 筋切りしたり、タンブリング処理(調味液を機械的に浸透)した肉は食べやすく美味しいと思うのですが、よく焼いて食べないといけないということですね。

2006年2月22日水曜日

O157集団感染:「浅漬け」の可能性 /香川

 二つの老人施設で同時に発生した腸管出血性大腸菌による死亡食中毒事件について、県は「浅漬け」の可能性を公表した。
 断片的に伝えられる情報から漬け物が原因であろうと推定していたが、改めて「浅漬け」の可能性があると聞いてその通りであろうと思う。
 浅漬けの汚染源については不明としているが、原料野菜の種子汚染、栽培時の汚染、野菜洗浄時の汚染、漬け物製造時の汚染など可能性は複数考えられるので原因を断定するのは難しいのであろう。

過去にも、次のような事例があったことを思い出します。

2002年6月
「キュウリの浅漬け」が原因と考えられた保育園における腸管出血性大腸菌O157集団感染事例-福岡市
http://idsc.nih.go.jp/iasr/24/280/dj2803.html

2001年8月
和風キムチによるEHEC食中毒事例-東京都
http://idsc.nih.go.jp/iasr/23/268/dj2682.html

2000年6月~7月
かぶの浅漬けに関連した老人保健施設における腸管出血性大腸菌O157感染症の集団発生-埼玉県
http://idsc.nih.go.jp/iasr/21/250/dj2505.html


「キュウリの浅漬け」が原因と推察された腸管出血性大腸菌O157の集団感染事例
 http://www.fch.chuo.fukuoka.jp/H14shoho/120kyuriO157.pdf

尾﨑延芳1)・大庭三和子1)・樋脇 弘 1)・藤代敏行2)・衛藤真理子1)・瓜生佳世1)・真鍋和義1)・宮代 守3)・若月紀代子1)・武田 昭1)・
1).福岡市保健環境研究所 保健科学部門
2). 同上(現所属:保健福祉局 食品衛生検査所)
3). 同上(現所属:保健福祉局 生活衛生課)

2002年6月,福岡市内の某保育園において腸管出血性大腸菌O157の集団感染事例が発生した.6月26日,初発患者からの本菌検出に伴い,延べ1,540名の検便と調査が行われ,112名の感染者(初発患者含む園児86名,職員14名,園児の家族12名)が確認された.保育園では給食を提供していたことから,保存食129検体(調理済み食品59検体,原材料70検体),給食室残品121検体,調理場のふき取り6検体,園が購入した食品の製造施設のふき取り等142検体,食品製造所従業員検便64検体および園内の使用水,砂場の砂,貸しおむつ,ペット等の飼育水等の検体21検体について検査した結果,6月21日の給食に供された「キュウリの浅漬け」から本菌が分離された. すべての分離株はVT2を産生し,疫学的調査およびパルスフィールドゲル電気泳動(PFGE)等による解析の結果,すべて同一菌と推察された.

2004年9月12日日曜日

名古屋刑務所内発熱は原因不明感染症に

 yahoo!ニュースによると愛知県が調査結果を発表し、「食中毒とは断定できず」としたようだ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040909-00000102-mailo-l23

 食中毒原因菌もノロウイルスも検出しなかったという。原因は見当もつかないという。

 私の方でも、先日、原因不明嘔吐下痢症を耳にした。
 3人家族で夜中の0時から2時頃までに連続して発症。腹痛、発熱は無し、吐き気が初発症状でおう吐と下痢がほぼ同時に起こる。胃の中のものをすっかりはき出し、下痢も5回程度。

 発症の夜20時頃に3人とも上にぎり寿司をたべた。他に共通食は毎日の朝食と夕食。

 潜伏時間がやや長めながら黄色ブドウ球菌が疑われた。3人の検便と寿司店の食材を検査したが黄色ブドウ球菌は検出されず。食材1検体から少量のセレウス菌が検出されたのみ。

 黄色ブドウ球菌食中毒では、殆どの場合大量の菌が検出されるが、今回は検出されることが予想される状況だったが検出されなかった。よって、原因不明おう吐下痢症と判断したらしい。

 話は変わるが、つい先日、検便から0157が検出される事例があった。この人も発症する3~4日前に牛のレバーを生で食べていたことが判明した。その前の事例では、小学生が発症した。この子は発症4日ほど前に焼き肉を食べている。因果関係は証明されていないが、状況的に他により可能性が高いような食事・食材はなかったようだ。

2004年7月17日土曜日

肉の生食にご用心!!

 前回、肉の生食のことを書いたけど、だいぶ説明不足だったことに気づいた。自分にとっては当たり前のことであっても、他人にはそうとは限らないという真理。

 というわけで、大阪府のホームページ「肉の生食にご用心」を照会します。ここをみ見ていただくとお肉のことが分かりやすいと思う。
http://www.pref.osaka.jp/shokuhin/shokutyuudoku/niku.html
 で、お願いです。ここをご覧になった方は、その内容を知り合いのお母さん達にも伝えて欲しい。
 自分の無知で最愛の我が子に生死の淵をさまよわせ、後悔の念にさいなまれる方を無くすためにも。

2004年7月16日金曜日

生レバーによるO157が続いていま~す。ご用心!

 幼児で腸管出血性大腸菌O157の発生があり、調査するとある焼き肉のチェーン店で生レバーを食べていることが判明したようです。散発例で、他には患者を確認できないようですが、このチェーン店では昨年も同じような事件があったとのこと。
 でも、生レバーを子供に食べさせる親の気持ちが分からないなー。これもリスクコミュニケーションの欠落か?リーフレットを配ったり、監視先でお願いしたり、講習会でも注意を促したりしてるんだがまだ足りないんだろうね。
 あろうことか、職場の目の前の女性職員が「私、生レバー好きよ!」とのたまった。目の前が暗くなりそう。めげてしまいそう。

 再度、反省し自戒の念!

 生レバーが危ないという知識がないのか?
 危ないから食べさせないという信念を持つほどにはマスコミからの情報が無いのか?
 生レバー(生肝)を生レバーと見分けるスキルが無いのか?

 現在は知識不足の段階だなと思う。根気よく啓発を!か!