2012年12月24日月曜日

ノロウイルス集団感染で6人死亡 宮崎


 昨日、死亡事例がニュースで報道されていました。報道では下痢便処置時のエプロンが問題にされていましたが、ノロウイルスは嘔吐物からもうつりますので要注意です。
 ノロウイルスは、100個以下の少ない量でも感染が成立する、感染力の強いウイルスです。症状のある人の便や吐物には、大量のノロウイルス(便1g中に1億個以上、吐物1g中に100万個以上)が含まれているので、扱う場合には十分な注意が必要です。
参考1:東京都感染症情報センター/感染性胃腸炎(ノロウイルスを中心に) Infectious gastroenteritis
http://idsc.tokyo-eiken.go.jp/diseases/gastro/

 老人施設では嘔吐者を抱きかかえて介護するケースも多いと思われ、介護者のエプロンも汚れますが飛沫を吸い込むケースも考えられます。
介護者を完ぺきに防御するなどほとんど不可能ですので施設にウイルスを入れないことが最も大事です。
(体調不良者は施設に入れない。給食の食材は加熱が原則)

参考2:厚生労働省/ノロウイルスに関するQ&A から
http://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/kanren/yobou/040204-1.html

☆ノロウイルスが感染・増殖する部位は小腸と考えられています。したがって、嘔吐症状が強いときには、小腸の内容物とともにウイルスが逆流して、吐ぶつとともに排泄されます。このため、ふん便と同様に吐ぶつ中にも大量のウイルスが存在し感染源となりうるので、その処理には十分注意する必要があります。
 12日以上前にノロウイルスに汚染されたカーペットを通じて、感染が起きた事例も知られており、時間が経っても、患者の吐ぶつ、ふん便やそれらにより汚染された床や手袋などには、感染力のあるウイルスが残っている可能性があります。このため、これら感染源となるものは必ず処理をしましょう。
 床等に飛び散った患者の吐ぶつやふん便を処理するときには、使い捨てのガウン(エプロン)、マスクと手袋を着用し汚物中のウイルスが飛び散らないように、ふん便、吐ぶつをペーパータオル等で静かに拭き取ります。拭き取った後は、次亜塩素酸ナトリウム※(塩素濃度約200ppm)で浸すように床を拭き取り、その後水拭きをします。おむつ等は、速やかに閉じてふん便等を包み込みます。
 おむつや拭き取りに使用したペーパータオル等は、ビニール袋に密閉して廃棄します。(この際、ビニール袋に廃棄物が充分に浸る量の次亜塩素酸ナトリウム※(塩素濃度約1,000ppm)を入れることが望ましい。)
 また、ノロウイルスは乾燥すると容易に空中に漂い、これが口に入って感染することがあるので、吐ぶつやふん便は乾燥しないうちに床等に残らないよう速やかに処理し、処理した後はウイルスが屋外に出て行くよう空気の流れに注意しながら十分に喚気を行うことが感染防止に重要です。
 11月頃から2月の間に、乳幼児や高齢者の間でノロウイルスによる急性胃腸炎が流行します。この時期の乳幼児や高齢者の下痢便および吐ぶつには、ノロウイルスが大量に含まれていることがありますので、おむつ等の取扱いには十分注意しましょう。

※塩素系の漂白剤(使用に当たっては「使用上の注意」を確認しましょう。)

2012年12月5日水曜日

更新をさぼっています。

 更新をさぼっているのでメモのメモさんに叱られてしまいました。
 一言言い訳を。このところブログよりTwitterの方が気を使わないので専らTwitterを日記代わりにしています。こちらもフォロー願います。

このところ職場ではノロノ嵐です。感染性胃腸炎が次々と発生し、そのなかのいくつかは食中毒として処理されています。今年のノロウイルスの流行は遺伝子タイプGⅡ4の新しい変異型が引き起こしているというのは先に病原微生物情報で発表されているとおりです。

<速報> ノロウイルスGII/4の新しい変異株の遺伝子解析と全国における検出状況(掲載日 2012/11/28)

Twitter: 大阪府内におけるノロウイルスを含む感染性胃腸炎の患者数定点調査によると、今冬の状況は、ノロウイルス感染症が大流行した2006シーズンに匹敵する可能性があります。 http://www.iph.pref.osaka.jp/infection/noro/noro.html
posted at 23:02:27 2012年11月15日(木)

 このところ頭が痛いのは、衛生に気をつけていいると思われる施設でのノロウイルスによる食中毒を多く目にすることです。自分が指導したことがある施設での食中毒の発生は正直、敗北感があります。
 先日の全国食品衛生監視員研修会研究発表等抄録を見ていても、使い捨て手袋を使用する施設でのノロウイルス食中毒の発生を見ての手袋着用時の手指からの汚染の研究が発表されていました。
 今シーズンになって過去にノロウイルス食中毒発生またはその疑い施設を4か所回りました。これらの施設は過去の事件の教訓からか、現在は使い捨て手袋、温水洗浄便座が共通であるように思いました。実は、事件前から現在のような対策を講じていたところもあります。
 「大堤の水も一蟻穴から」とも言うようです。事件を調査するなかで一人の不注意が事件を起こしてしまうという感を強く持っています。現場の指導において行政がパートの方まで全員に正しく自覚していただくのは不可能と思いますが事件はその間隙を突いて起きています。