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2009年8月2日日曜日

腸炎ビブリオ食中毒が影をひそめる

 喜ばしいことに、このところ、腸炎ビブリオ食中毒の声をあまり聞かない。私たちの大阪府では、昨年今年と腸炎ビブリオ食中毒の届け出はない。

念のため、厚生労働省の食中毒事件速報で確認すると、
http://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/10hassei/xls/H20joukyou.xls

平成20年中に17件、患者168名とある。

感染症情報センターの病原微生物検出情報
http://idsc.nih.go.jp/iasr/index-j.html

で確認すると、下図のとおり、2005~2007年にはある程度報告があるが、2008年、2009年と激減している。

 一時猛威をふるった腸炎ビブリオO3:K6型菌も交代期を迎えているようだ。

 食品安全情報  No. 6 / 2009 に
http://fcsi.nihs.go.jp/ex/webdocs/ex-01/2009_/foodinfo200906/foodinfo200906.pdf
「3.チリ南部における腸炎ビブリオ(Vibrio parahaemolyticus)アウトブレイクの疫学調査」
という記事があるが、「病原性関連遺伝子群が、世界的流行株からこの地域の貝類に生息している多様で変動性を有したバクテリア集団を構成する腸炎ビブリオグループのうちの1 つに水平伝播したことが示唆された。」とあり、新型インフルエンザが出現したのと同様に出番をうかがっているようだ。

2004年8月18日水曜日

腸炎ビブリオ食中毒 多発中 警戒警報!!

 このところ、各地から食中毒事件関係者の調査依頼がきています。どうやら腸炎ビブリオが発生しだしたようです。今のところ情報不足でどの海域で腸炎ビブリオが発生したのか絞り切れませんが、先日来の大雨に見舞われた地方は警戒海域です。(日本全国、どこでも大雨続きだったような……)

 ということで、近海産の魚介類は腸炎ビブリオ(腸ビと略してます)に汚染されている可能性大です。

 魚体の丁寧な水洗い。魚介類の低温保持。魚介類用まな板の他との兼用禁止。魚介類を扱った後の手洗いの励行。
 が食中毒を防止します。

 調理場内には、魚介類用発泡スチロール容器、魚介類用冷蔵庫取っ手、台布巾などの濃厚汚染された器具等があります。二次汚染源にならないように、発泡スチロールは速やかに処分。布巾などは頻繁に洗浄し、作業内容が変わるときは乾いたものに交換。冷蔵庫取っ手は拭き取りとアルコールスプレーなどによる消毒が有効でしょう。

 大型食中毒は、煮物や酢の物、卵焼きなどを汚染した時にも起こります。キュウリの酢の物の類では酢の防腐効果は望めません。エビなどの煮物は腸ビの大好物です。これらは日持ちするからと盛りつけ台の上に放置しがちですが、菌を増殖させると惨事の主役になります。

 和食では菜箸で形を整えつつ盛りつけをするケースもあるようですが、刺身に触れた箸で煮物を盛りつけると煮物の煮汁を腸ビで汚染させます。煮汁を汚染すると大規模食中毒と直結です。使用する器具は乾燥させた清潔なものを使いましょう。
 洗浄、煮沸後乾燥させた割り箸を使い捨て風に使用するのも一つの方法です。

 腸ビ予防は、1.つけない 2.ふやさない 3.やっつける

 身赤、貝柱などはもとが悪いとお手上げで巻き込まれます。
 アサリなどの貝の砂だしも、海水が周囲に飛び散るので対策が必要。
 生けすの海水も魚体や従事者の手で汚染されていることがあるので、そのつもりで扱うこと。
 すしのネタケースなどに保管したものは、ふたの開閉により温度上昇のおそれあり、昼一番の出前は事故例多数です。

 思いつくまま書き上げましたが、和食の店は危険いっぱいです!
 関係者の皆様、今一度、作業の見直しお願いします。