2010年9月26日日曜日

酷暑でカンピロバクター食中毒は抑制されたのか?

 お彼岸になりやっと涼しくなったが、大阪府ではこの9月にカンピロバクター食中毒で2件の飲食店(1件は焼き肉店での牛レバー刺身(推定)、1件は焼き鳥店での料理)とサルモネラ食中毒で1件の肉料理店が営業停止処分を受けた。
参照 大阪府 施設に対する行政処分等の情報

 カンピロバクターの発生ピークは春先と秋口であり、夏場に谷になると言われる。9月にカンピロバクター食中毒に2件も遭遇したことから、昨年のカンピロバクター食中毒発生件数の頭打ち傾向は本物か?酷暑の影響はあったのか?このあたりを確認すべく、今日は朝から厚労省の食中毒統計資料と格闘してみた。その結果、結論を出すには時期尚早との結論に達したが折角なので私のアーカイブに年次変化と年次・月別発生状況をアップした。こちらには、カンピロバクター食中毒統計の特異性についての補足を書いてみたので興味がおありの方は見て欲しい。

 資料22 カンピロバクター食中毒事例(年次変化) 1996年~2009年2010.09.26
                 http://www.shokuei.sakura.ne.jp/archive/Campylo/Campylo_2010.html


集計の結果、本日現在の状況は厚労省への報告時期にタイムラグがありよく分からないということになったが、月別発生件数は図2で分かるように確かに8月に谷間がある。

図2について補足
 本年4月以降の発生状況は、行政機関によっては未報告事例があるため少なめにカウントされている。実際の集計は7月分まで行ったがグラフでは5月までに留めた。3月までの報告の勢いでは昨年を超える可能性が高い。

2010年9月24日金曜日

猛暑と食中毒

 記録的な猛暑も雷雨とともに終わりを告げたみたいです。私の経験の範囲では夏が例年に比べ暑かったから食中毒の件数が増えたといったことはなかったように思いますが、今年は別でした。
 肉の生食が関係する事件で最終的に食中毒とはされなかったものの腸管出血性大腸菌感染症が例年になく多発しました。食中毒とはされなかったため、肉の生食の危険性を知らず自分の意志で食べた患者さんは泣き寝入りです。

 大阪府のホームページからもこの夏の腸管出血性大腸菌感染症の多発が確認できます。


腸管出血性大腸菌感染症発生状況


参照元

 大阪府報道発表資料
 http://www.pref.osaka.jp/hodo/index.php?site=fumin&pageId=4910