2004年8月26日木曜日

えぇ~っ保育所にノロウイルスの脅威が伝わってない!

 先日は郊外の保育所の調理場の一斉監視だった。いつも街中を走っていると久しぶりの郊外は気持ちが伸び伸びとする。保育所も園庭が広い!広い!

 給食場は狭いなりに工夫して使ってある。検食も記録もOK。公立の園はいいねぇ。掃除の行き届いた調理場は調理人さんの子供たちへの愛情を感じる。

 だけど、調乳室はナニ! 沐浴室はナニ! 手洗い設備がないよ~!!

 え! ノロウイルスに逆性石けんが効かないのを知らないの~!?

 え! もうじきノロの時期が来るよ~。子供の吐物の処理はどうするの???

 こどものオムツを交換してあげたら、手洗いをお願いしますよ!使い捨て手袋に頼り切っていたら何が起きても知らないよ!

 子供達は可愛かったけど、調理場と保育室の落差に頭を抱えた一日でした。

2004年8月18日水曜日

腸炎ビブリオ食中毒 多発中 警戒警報!!

 このところ、各地から食中毒事件関係者の調査依頼がきています。どうやら腸炎ビブリオが発生しだしたようです。今のところ情報不足でどの海域で腸炎ビブリオが発生したのか絞り切れませんが、先日来の大雨に見舞われた地方は警戒海域です。(日本全国、どこでも大雨続きだったような……)

 ということで、近海産の魚介類は腸炎ビブリオ(腸ビと略してます)に汚染されている可能性大です。

 魚体の丁寧な水洗い。魚介類の低温保持。魚介類用まな板の他との兼用禁止。魚介類を扱った後の手洗いの励行。
 が食中毒を防止します。

 調理場内には、魚介類用発泡スチロール容器、魚介類用冷蔵庫取っ手、台布巾などの濃厚汚染された器具等があります。二次汚染源にならないように、発泡スチロールは速やかに処分。布巾などは頻繁に洗浄し、作業内容が変わるときは乾いたものに交換。冷蔵庫取っ手は拭き取りとアルコールスプレーなどによる消毒が有効でしょう。

 大型食中毒は、煮物や酢の物、卵焼きなどを汚染した時にも起こります。キュウリの酢の物の類では酢の防腐効果は望めません。エビなどの煮物は腸ビの大好物です。これらは日持ちするからと盛りつけ台の上に放置しがちですが、菌を増殖させると惨事の主役になります。

 和食では菜箸で形を整えつつ盛りつけをするケースもあるようですが、刺身に触れた箸で煮物を盛りつけると煮物の煮汁を腸ビで汚染させます。煮汁を汚染すると大規模食中毒と直結です。使用する器具は乾燥させた清潔なものを使いましょう。
 洗浄、煮沸後乾燥させた割り箸を使い捨て風に使用するのも一つの方法です。

 腸ビ予防は、1.つけない 2.ふやさない 3.やっつける

 身赤、貝柱などはもとが悪いとお手上げで巻き込まれます。
 アサリなどの貝の砂だしも、海水が周囲に飛び散るので対策が必要。
 生けすの海水も魚体や従事者の手で汚染されていることがあるので、そのつもりで扱うこと。
 すしのネタケースなどに保管したものは、ふたの開閉により温度上昇のおそれあり、昼一番の出前は事故例多数です。

 思いつくまま書き上げましたが、和食の店は危険いっぱいです!
 関係者の皆様、今一度、作業の見直しお願いします。

2004年8月12日木曜日

賞味期限を過ぎた食品は?

 「賞味期限切れ=危険食品」ではありませんとPRしている手前、そのような食品が出てくるとつい「食べられるよ」と言ってしまう。新人食監さんは、頭では分かって居るんだろうけど「食べたら危険」と感じてしまうようだ。

 先日も、賞味期限が1年以上切れてしまった冷凍ビーフンが出てきた。例のごとく、「食べられる」「食べられない」となったあげく、私が食べないといけないことになった。

 包装の外観は問題ないし、何らかの異常が起こった形跡もない。で、表示にある作り方に従って電子レンジで加温調理し食べることにする。

 臭いは正常、味もビーフンの味。ただし、油っこい。フライパンで温める場合でも油は必要なしとあったが、食べてみて納得。キャベツも欲しいが量が少ない。味も濃すぎ。ご飯を添え、野菜を添えてやっと食べることができた。

 食べ物が冷凍庫内で眠り込んでしまっているのには訳がある。軽はずみに口を出さないこと。これが今回の教訓!

2004年8月11日水曜日

難題なんですよね!

 白い粉のことは食品添加物規制の難しさの一面を浮き彫りにさせました。

 厚生労働省からも再度、前回と同じく消費者の判断を誤らせるような使い方をしないように指導するようにとの通知文がきていました。

 肉に直接使用しないならば云々は意味があるようには思えませんが、他とのバランスを考えるとそんなものかなとも思い、実質不問との差をどう説明するのかに汗を……。

 相談室のこの関係の回答を、誤解を広げるといけないので補足、訂正しました。ご指摘いただきました、れいかさん有り難うございました。

2004年8月7日土曜日

新人食監

 私の職場で食監として配属されるのは、獣医さんか薬剤師さんです。
 学校で食品衛生学や公衆衛生法規を専門に学んでくるわけではないですから、専ら現場研修です。近年の食品衛生法改正や通達のラッシュで覚えなければいけないことが山ほど増えています。感覚的に言うと私の採用時に比べ10倍以上になった感がします。

 私たち団塊の世代は後進に経験を伝えるのも仕事の一つで、ことがあれば昔話の花盛りです。私の口癖が「昔は」「最近は」です。「昔」が50年前だったり、「最近」が10年前だったりします。聞く方も心得たもので、「その最近はいつですか?」とチェックが入ります。

 その新人さん達が、日々食監らしいものの見方をするようになっていくのは頼もしいものです。

2004年8月3日火曜日

相談室でふれなかったこと(2)

 暑い日が続きます。進学塾の合宿勉強で食中毒が発生したとの情報が流れていました。関係者はこの炎天下走り回っておいでだとおもいます。ご苦労様です。

 この暑さで、弁当が腐敗していたという話も耳にしました。気温は食中毒の大きな要素の一つです。関係者の皆様、ご注意おねがいします。

 アスコルビン酸の質問が相談室にありました。これの取り扱いについては担当者間で若干の意見の差異があり、議論が盛り上がりました。
 私は出先に所属していますので、このような場合、本庁の見解を待って対処するのがルールです。先日の回答が??であったのはこの見解が出ておらず、相談者とたぶん同じ見解もありそうでした。

 この相談室はネット世界の片隅にひっそりと存在するサイトですが、変にミスリードすると大変ですので、書きづらく感じることもあります。相談者も同じように感じておいでかとも思いますが、そのような場合、メールアドレスがあると有り難いなと思うこともあります。

 が、それでも難しいのかな……!。