2009年7月14日火曜日

事故の後は自己保身

 食中毒事件の後、調理従事者の検便を行うとしばしば患者と同じ原因菌が検出されることがある。事情を聞いても調理従事者はずっと健康で症状を呈していなかったということになる。でも、それが怪しい。下痢気味の時はトイレで手を汚しやすい。が、健常便のときも同じように頻繁に手を汚すでしょうか?便中の菌数は下痢のときと同じほど多いでしょうか?

 また、調理法を問うと「唐揚げをあげた時の加熱は中心が75度で1分間加熱を確認しました」という模範的な回答が返ってきます。どんなに忙しい時も暇なときと同じように作業出来ているでしょうか?

 以前、薬味に使った野菜による事件の際、一つの現場でのみ患者発生が見られず、薬味野菜を加熱したと推察されるのに、「マニュアルどおり生で提供しました」と頑として答えが変わらぬこともあった。

 このように、事件後の聞き取りは正直に答えてくれることが多いとは思うが、嘘発見器を使用して聞き取りを行うわけではない。 「人は自己保身に走る」ということを念頭に置き、調査報告書を読む必要もある。少し脱線してしまった。

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