2009年9月25日金曜日

学園祭、夏祭り、バザーでの食中毒事例

 学園祭の時期が近づいた。学園祭といえば、もう40年近く前になるが大学の後輩たちが調理販売したかやくご飯が傷んでいて、関係者が恐縮していたことを思い出す。

 昨年の某大学の学園祭でのクレープによる黄色ブドウ球菌事件では被害者の数が多かったせいもあり大学を巻き込んだ大事件に発展したようだ。発生原因は詳細な情報が分からず不明だが、ネット情報によると前日仕込みがあったようだ。ところで、クレープは粉っぽさをなくすために生地を3時間くら冷蔵庫で寝かせておくとよいようで、業者さんでは前日に仕込み寝かせて(冷蔵して)おいて翌日提供するといったことが行われている。模擬店などで、業者さんのまねをして、涼しくなったからといって常温で寝かせておいたりすると事故を招くことになる。また、午前中に仕込んだ生地を常温でおいたまま夕方まで使うのもレッドカードである。

 クレープは加熱するということで油断しがちだが黄色ブドウ球菌の毒素は加熱しても残ることを忘れてはならない。 黄色ブドウ球菌だが、手荒れがある人は手指にこの菌を持っていることが多く、手指の拭き取り検査をすると人によって多量の菌が検出されるのはしばしば経験する。このような方が濡れた手で器具に触れると菌が付着してしまう。黄色ブドウ球菌が食中毒を起こすのに必要な量の毒素を作るのには多量の菌が必要なので、仕込んでから2~3時間程度で口に入る場合は毒素量が少なく問題にならない。ただし、6時間を超えるようなケースでは食中毒はいつ起きても不思議ではない。
 生地を前日に焼いて翌日販売するのも同様に危ない。

私の食品衛生アーカイブ

 「模擬店や野外調理などでの食中毒事例」として過去の事例を集めている。
 http://www.shokuei.sakura.ne.jp/archive/mogiten.html

参考;
 「模擬店、47都道府県の状況」として届出・扱い食品等の義務づけ状況を調べている。
 http://www.shokuei.sakura.ne.jp/archive/mogiten/huken.html

2 件のコメント:

  1. 「学園祭模擬店で発生した大規模食中毒事例と模擬店等における食中毒防止対策について」と題して名古屋市千種保健所の北本氏が平成21年度 全国食品衛生監視員研修会で発表した抄録が手に入った。
     これによると、クレープは5種類(抹茶あずき、ラズベリーチーズケーキ、キャラメルプリン、唐揚げ、フルーツミックス)でありいづれの種類からも患者の発生がみられた。
     室温保存のクレープ皮は調理から販売まで25℃以上で6時間~14時間置かれており、再現試験の結果から、調理段階で付着した黄色ぶどう球菌が保存中に増殖し、ラップされ毒素産生に好条件でおかれ毒素が産生された。残品の皮から相当量の菌と毒素が検出されているところからクレープ皮が汚染食材と特定された。

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  2. 昨日のニュースに「ホエールランドまつり中止 石巻市、鯨肉食中毒受け自粛」がありました。現在のところ原因不明みたいです。例の原因不明食中毒と共通原因かなと不謹慎ながら注視しています。
    http://mytown.asahi.com/areanews/miyagi/TKY201009280433.html
    イベントや模擬店での最近の食中毒事例(平成21年、22年分)を私のアーカイブ「模擬店や野外調理などでの食中毒事例」
    http://osaka.cool.ne.jp/shokuei/archive/mogiten.html
    に追加しました。餅つき大会でのノロウイルス事例が目立ちます。バーベキューも要注意です。

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