2006年4月9日日曜日

鶏肉のカンピロバクター汚染率の高さに改めて驚く

 先日、食肉類の汚染実態調査のための収去検査があり、検査結果を収去先へお知らせしたが、出ますね。サルモネラもカンピロも大げさに言うと「ゾロゾロでます」と言った感じ。

 鶏の高病原性インフルエンザが世間では問題になっていますが、現在のところ日本での食中毒発生事例の可能性は考えられません。現実問題としては、病原性細菌の汚染率の高さが問題にされるべきところでしょうが、マスコミには取り上げる気配がありません。

 鶏の生キモやササミのお刺身など、そんな恐ろしい物をというのが私たちの感覚ですが、マスコミは無責任に奨めてますね。でも、焼鳥屋さんには必要なアイテムのようです。少し高くなっても安全な肉を供給するのが業界のつとめだと思うのですが、その世論づくりがうまくいきません。

 世論づくりがうまくいかないのは、生肝などの常食者が、周囲から発症者がでるケースがないと感じているのも一因ですが、難しいところですね。

 カンピロバクターについては、30℃を超える嫌気条件とかでないと増殖しないようなので、屠鶏後の増殖は考慮しなくて良いと思います。要は、川上である養鶏場からの菌の垂れ流しが絶えないと言うところが問題です。

 養鶏場の現場では、耐性菌の問題もあり、抗生物質などをじゃぶじゃぶ使えるという状態ではないので根絶は難しいのでしょう。

 カンピロバクター自体は、養鶏の現場では経済上特に問題とならないようで、鶏舎の衛生管理にコストをかけるメリットが皆無というのが無策の原因であるような気がします。家畜衛生保健所の頑張りをお願いしたいところです。

 また、このところの地鶏ブームも、鶏の長期飼養ということで高汚染の原因のひとつになっているのかもしれません。平飼いなどでの鶏舎の消毒など出来るのか疑問です。諸外国でも頭の痛い問題ではあるようですが・・・。

2010/12/15 補足

厚生労働省:平成21年度食品の食中毒菌汚染実態調査の結果についてhttp://www.mhlw.go.jp/topics/syokuchu/kanren/yobou/100330-1.html

結果及びとりまとめ 別添2(PDF:33KB)及び別添3(PDF:129KB)

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